個体を構成する臓器・細胞・分子・遺伝子、それぞれのレベルの要素が有機的に繋がる生命としてのシステムを解き明かし、循環器学の謎に迫ります
個体を構成する臓器・細胞・分子・遺伝子、それぞれのレベルの要素が有機的に繋がる生命としてのシステムを解き明かし、循環器学の謎に迫ります
心不全・心筋梗塞・不整脈といった循環器疾患は様々な原因により発症します。現在は生理学・生化学・解剖学的検査に基づいた診断・治療がなされていますが、個々の患者の病態を詳細に理解するためには分子レベルでの病態理解に発展する必要があります。モデル動物を用いた基礎研究では分子生物学的手法が取り入れられて病態理解が進みましたが、現時点では臨床応用には遠く、臨床と基礎に大きな隔たりがあります。現在の医療で救えない患者がいるという現実から目を背けず、現在の医療を変革する新たな循環器学を構築する必要があります。私たちはこれを現実にするべく、臨床レベルで分子生物学を実践するシングルセル解析技術、ゲノム情報を中心としたオミックス解析技術、コンピューター科学を取り込んだ機械学習・人工知能解析技術、個体全体を解析対象とするシステム生物学的解析技術、CRISPR/Cas9を基盤としたゲノム・エピゲノム編集などの合成生物学的技術を取り込み、それらを既存の分子生物学と融合することで新たな循環器学「システム循環器学」の概念を構築し、以下に示す研究テーマに取り組んでいます。