当グループでは肺高血圧症に対する専門的な診断と治療に力を注いでいます。肺高血圧症では治療反応性の観点から早期診断と早期治療が重要です。当院は、最先端の医療設備と高度な専門知識を活かし、以下の3つの要素を心がけ患者さん一人ひとりに最適な治療を提供しています。
一点目は正確な診断です。総合病院の特色を活かし積極的に他科とカンファレンスを行いながら肺高血圧症の原因や重症度を詳細に評価しております。このアプローチにより、個々の患者様に最適な治療方針を決定することが可能です。
二点目は治療です。肺動脈圧や肺血管抵抗の正常化をめざした治療を行います。特発性肺動脈性肺高血圧症では積極的な薬物併用療法を導入し、膠原病由来肺動脈性肺高血圧症では原疾患によっては早期免疫抑制療法を、手術非適応の慢性血栓塞栓性肺高血圧症ではバルーン肺動脈形成術を施行しております。さらに、重症例では肺移植を視野に入れ治療を提供し、患者様が治療目標を達成できるよう支援しています。さらには重症左心不全に合併する肺高血圧症のマネージメントや腫瘍原性肺微小血管症等の希少で治療法の確立していない疾患に対して、治療法の模索を行っております。
三点目はQOLの向上です。血行動態が改善しても種々の理由でQOLが正常化しない患者さんに対して、リハビリテーションや定期的なフォローアップを通じて長期にサポートを行っております。