がん患者さんの中には心臓病を合併している、あるいはそのリスクの高い方が少なからずいらっしゃいます。そのような患者さんが、安心してがん治療を受けられるよう、心臓の立場から診療をサポートする(循環器内科の)専門外来です。
がん患者さんの中には心臓病を合併している、あるいはそのリスクの高い方が少なからずいらっしゃいます。そのような患者さんが、安心してがん治療を受けられるよう、心臓の立場から診療をサポートする(循環器内科の)専門外来です。
「腫瘍循環器」とは腫瘍と循環器疾患(≒心臓病)の両方を扱う、新しい診療分野です。
がんは長らく日本人の死因第一位であり、今や「2人に1人ががんになる」と言われる時代です。最近の特徴として、がんと心臓病を合併する患者さんが増えていることが挙げられます。いくつか原因があると考えられますが、まず、がんは心臓病と同様に、年齢とともにその頻度が増加するため、寿命が延びている日本では必然的に両者を合併する患者さんが増えます。また医療の進歩により、がんや心臓病を患っても病気をコントロールできる期間が長くなったため、例えばがん治療中あるいは治療後に心臓病を患う、といったケースが見られるようになりました。さらに近年相次いで開発されてきた新規がん治療薬のいくつかは、高い治療効果を示す一方で、様々な心血管合併症を引き起こし、その後の治療方針にも影響を与えることもあります。このように腫瘍と循環器疾患を合併する、あるいはそのリスクが高いと考えられる症例は増加の一途をたどっており、「腫瘍循環器」の重要性は高まっています。
上記のような背景から、我々は腫瘍専門医と循環器専門医が緊密に連携して診療に当たる必要性があると考え、循環器内科の立場から「がんを患った患者さんの心臓を守る」ことを目的として、腫瘍循環器外来を開設致しました。
腫瘍循環器外来では、がん患者さんの治療中に起こる心血管合併症の診療や、循環器疾患を抱えた患者さんのがん治療を円滑におこなうサポートをするために、おもに下記の領域を担当致します。
1 がん治療前、特に化学療法前の心機能評価
2 がん治療中あるいは後に出現した心血管疾患の診断と治療
3 心臓病を有する患者のがん治療における心臓病増悪のリスクの評価と管理
4 心血管合併症のリスクが高いがん患者の外来フォロー
5 がんサバイバーの長期外来管理
・腫瘍循環器外来は金曜日午後(隔週)です。
・原則として予約制です。東大病院の予約センターへ電話(03-5800-8630)でお問い合わせ頂くか、外来1階初診受付窓口で、受診希望の旨をお申し付け下さい。
・出来る限り医療機関からの紹介状(診療情報提供書)をご持参ください。
・外来は循環器内科医が担当します。