虚血チームの臨床研究

閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)

当院では、閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)を積極的施行しております。

循環器内科 三浦 (37826)もしくは桐山 (37829)、予約センターにご連絡下さい。
迅速に対応させていただきます。

TEL:(予約センター)03-5800-8630

PTSMA担当 三浦 瑞樹(37826), 桐山 皓行(37829), 向井 康浩  

閉塞性肥大型心筋症について

肥大型心筋症の中で、左室内に狭窄が生じるものを閉塞性肥大型心筋症と呼びます。閉塞性肥大型心筋症は収縮期に中核心筋の突出と僧帽弁前尖の前方運動によって左室流出路に狭窄が出来、左室内腔と大動脈弁下部との間に圧較差が生じる疾患です。閉塞性肥大型心筋症によって、胸痛・呼吸困難・動悸などの胸部症状と、立ち眩み・失神などの神経症状が出現します。

経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)について

閉塞性肥大型心筋症に対する治療はまずβ遮断薬やカルシウム拮抗薬、抗不整脈薬による薬物治療を選択します。薬物治療導入後も症状が残存する場合は、外科手術・ペースメーカー手術に加えて、経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)があります。外科手術を受けることが出来る方はまず外科的中隔心筋切除術をまず検討しますが、手術のリスクが高い場合は、このPTSMAを検討します。外科手術と比較して、低侵襲に治療を受けられる点がメリットですが、症状や患者様の状態などを総合的に判断し、心臓外科・循環器内科を含めたハートチームで議論をした上で治療方針を決定させて頂きます。

実際の治療法は、カテーテルを用い、純エタノールによる閉塞責任中隔心筋を焼灼壊死させる治療です。まずカテーテルによって流出路狭窄の原因となる中隔枝を同定し、そちらにバルーンによる閉塞、エタノール注入により心筋を焼灼します。流出路狭窄の責任中隔心筋を還流する中隔枝は複数本あることもあり、心エコーを用いて焼灼部位を決定します。

紹介からPTSMA施行・退院までの流れ

STEP1 初診外来

診察に加え、採血・レントゲン・心電図・心エコー検査・ホルター心電図・心臓MRIなどのスクリーニング検査を行います。閉塞性肥大型心筋症に対してまず適切な薬物治療を行います。その後も症状が残存する場合、治療をご希望・ご検討させる方は検査入院を予定させていただきます。    

STEP2 検査入院

カテーテル検査により、左室流出路の狭窄の程度、冠動脈造影によって閉塞すべき中隔枝の選択を行います。心臓外科・循環器内科で相談をして、患者様に最適な治療について相談させていただきます。治療に対するご本人・ご家族のご希望もお話聞かせていただき、治療法の選択に前向きに組み入れさせていただきます。また、閉塞性肥大型心筋症を有する患者様は、致死的不整脈・突然死のリスクも有するため、不整脈に対する精査や至適な治療も相談させて頂きます。  

STEP3 PTSMA治療

手術前日に入院頂き、PTSMA治療に臨みます。

STEP4 術後・退院

手術後は重症病棟に入ります。一部心筋を焼灼することにより小範囲の心筋梗塞を人為的に作るため、術後の胸痛や頻脈性・徐脈性不整脈が出現する可能性があるため、術後の合併症に対して迅速に対応できるように重症病棟で慎重に管理をさせて頂きます。順調であれば翌朝から一般病棟転床、食事、リハビリ開始となります。心不全合併なければ術後1週間程度での退院を目指します。

STEP5 退院

 

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