虚血チームの臨床研究

急性冠症候群に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)

当院では、虚血性心疾患に対する治療を行なっており、その重篤な疾患の一つである急性冠症候群に対して経皮的冠動脈形成術 (Percutaneous coronary intervention:PCI)を積極的に施行しております。

連絡先
急性冠症候群に対する治療に関する急ぎのご依頼・ご相談がありましたら、循環器内科 CCU日直(内線 30216)にご連絡ください。可能な限り迅速に対応させていただきます。

TEL:03-3815-5411(内 30216)

虚血担当; 安東 治郎, 小寺 聡, 菊池 宏信, 皆月 隼, 齊藤 暁人, 三浦 瑞樹, 桐山 晧行, 廣瀬 和俊, 加門 辰也, 勝然 進  

急性冠症候群について

急性冠症候群とは、冠動脈内に形成された粥腫と呼ばれる動脈硬化病変が破綻し、それに伴う血栓形成によって急激な冠動脈高度狭窄や冠動脈閉塞が引き起こされる疾患群を意味し、不安定狭心症や心筋梗塞といった重篤な病気で構成されています。安定狭心症は、冠動脈の血管内腔が狭小化することで心臓に十分な酸素を供給できなくなり発症し、多くの場合安静時に消失する労作時の胸部不快感や息切れを認めますが、冠動脈内血栓形成により引き起こされる急性冠症候群は、胸部不快感などの前駆症状を伴わず突然発症することも稀ではありません。安定狭心症と同様に、高コレステロール血しょうや糖尿病、喫煙などが病気のリスク因子であり、リスク因子を多数抱える方は、これら疾患などの治療をしっかり行うことが重要となります。

急性冠症候群の症状は、多くの場合冷汗や嘔気を伴う胸痛や胸部圧迫感などの胸部不快感として現れるほか、喉の絞扼感や左肩痛として現れることがあります。いずれの症状も、特に体位や呼吸などの影響を受けず、20分以上持続する場合には強く急性冠症候群を疑います。急性冠症候群に対する治療をいかに早く行うかが予後を大きく左右するため、上記のような症状がある場合には直ちに救急要請を行い、専門機関での治療を受ける必要があります。

現在、急性冠症候群に対する標準的な治療としては、カテーテルと言う管を使用したPCIという治療が行われています。冠動脈造影検査と呼ばれるカテーテルを使用した検査などを行い、病変の評価を行なったのち、高度狭窄もしくは閉塞した部位を拡張し、心臓への血流を改善させます。

PCIについて

PCIは、腕や足の血管からカテーテルを挿入し、狭窄した冠動脈病変を拡張する治療となります。具体的には、まずカテーテルを通じて冠動脈の造影を行い、主にコレステロールの蓄積により狭窄した病変部の同定を行います。続いて、上記の病変をガイドワイヤーと呼ばれる細い金属のワイヤーを通過させます。このガイドワイヤー伝いに、バルーンや血栓吸引カテーテルといった治療器具を病変部に運び、血流不全の原因となっている血栓をできる限り取り除いたのち、ステントと呼ばれる金属メッシュの筒の留置を行います。これらにより、十分な血管内腔を確保することで、再び心臓への血液がスムーズに流れることが可能となります。

紹介からPCI施行・退院までの流れ

STEP1 紹介ならびにご相談

急性冠症候群を疑う患者様を当院に紹介いただける場合には、当科CCUチームならびに虚血チームが対応をさせて頂きます。緊急を要する症例の場合には、上記連絡先にご連絡を頂いたのち、当院救急外来で診察の上入院ならびに緊急カテーテル検査・治療を計画させて頂きます。準緊急で対応が必要な症例に関しましても、上記連絡先にご連絡頂ければ、当院外来を予約させて頂き、外来で診察の上検査・治療を計画させて頂きます。  

STEP2 入院後

冠動脈造影検査を行ったのち、引き続きPCIによる治療を行います。治療後は集中治療室に入室頂き、急性冠症候群に伴う心臓破裂や致死的不整脈などの合併症が起こらないよう慎重に薬物加療を行なっていきます。急性冠症候群で入院となった場合には、通常、7−14日間程度の入院となります。状態安定したことを確認したのち心臓リハビリテーションを行ったのち退院となります。

 

 

 

 

 

 

 

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