不整脈チームの臨床研究

ループ式植込み型心電計(implantable cardiac monitor: ICM)

植込み型ループ心電計は、長期間心電図を記録することで、失神の原因の特定や、脳梗塞を発症の原因が心房細動によるものか診断するのに非常に有効です。

概要
ICM(Reveal LINQ® Medtronic社)は、前胸部の皮膚の下に植込みます。最長3年間の持続的な心電図モニタリングができますので、失神がいつ起きても、その際の心電図を調べることで心臓の病気に由来するものなのかを判定することができます。
脳梗塞の多くは脳血管の病変や,心臓などでできた血栓による塞栓症が原因と考えられていますが、十分な精査を行っても原因が特定できないものを潜因性脳梗塞と呼びます。心房細動により心臓の中に血液の塊(血栓)が出来やすくなり、これが潜因性脳梗塞の主な原因の一つと言われています。心房細動は一般的に行われているホルター心電図検査による検査では検査時間が短いため、検出し難いと言われていますが、ICMは長時間心電図を記録することができるため、ホルター心電図の5倍以上の検出率があると報告されています。このことから、ICMで心房細動をいちはやく検出し、適切に治療することで脳梗塞再発予防に非常に役立つことが期待されます。

機器本体は非常に小型ですので、患者さんの負担も軽く、植込みは局所麻酔下に約10分で終了します。また、患者さんの自宅で使用する遠隔モニターが付属されており、自覚症状の記録や不整脈を病院へ送信することができます。このことで、より早い診断が可能になり、また通院回数がへることで患者さんの負担も軽減できます。

医療関係者の皆さまへ

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