心筋梗塞とは、心臓への血液の供給が途絶えたために、心筋が酸素の供給を受けられずに壊死する病気です。
治療に関するご相談は外来のご案内へ
胸の強い痛みや圧迫感が出現し、持続します。狭心症の痛みと似ていますが、より激しく長く続き、ニトログリセリンを使用しても軽減しません。死の恐怖を伴う事があります。一部の人では胸痛がみられないこともあります。
急性心筋梗塞は緊急に治療する必要があります。通常、緊急心臓カテーテル治療後に、CCU(心血管系疾患集中治療室)に収容されます。
初期治療として、酸素吸入や、抗血小板薬、硝酸薬、鎮痛薬などの投与が行われます。
心筋梗塞が確定的であれば、冠動脈の血流を早期に回復させるために、心臓カテーテル検査が行われます。なお心臓カテーテルができない施設の場合は、血栓溶解療法(血栓を溶かす薬剤を静脈注射する)を行ってから、心臓カテーテル検査が可能な施設に搬送することもあります(当院では24時間365日心臓カテ―テルができる体制を整えています)。
心臓カテーテル検査を行い、冠動脈の閉塞または高度狭窄が確認された場合、引き続いてカテーテルによる治療(経皮的冠動脈形成術)が行われます。 重症の場合にはバイパス手術が選択されることもあります。
心筋梗塞によって高度にポンプ機能が障害された場合、血圧が低下しショックになることがあります。この場合大動脈バルーンパンピングや経皮心肺補助装置などが用いられることもあります。また、一時的に徐脈になることがあり、一時的ペースメーカーが挿入されることもあります。
主な合併症には、以下のようなものがあります。
その他の合併症として僧帽弁閉鎖不全症、心室瘤(心室壁内に膨隆ができる)、血栓(塞栓)症、心膜炎などがあります。当院では、心臓外科との連携により、迅速に合併症に対応する体制を整えています。
急性期を過ぎたら心臓リハビリテーションが行われます。
また、2次予防のため冠危険因子のコントロールが重要です。