若手医師からのメッセージ

平成29年度 後期研修医・大学院生からのメッセージ

関 光里
関東中央病院 循環器内科 (平成27年卒)

後期研修医からメッセージ

私は今年度より関東中央病院循環器内科に所属し、後期研修のスタートを切りました。心臓カテーテル検査の術者として携わったり、自分で治療方針を組み立て、時には指導を頂きつつ循環器内科の基礎を日々学んでいます。現在忙しくも充実した研修生活を送っておりますが、学生時代は循環器疾患を理解するのにとても苦労し、循環器内科は一番苦手な科目だと感じていました。そんな私が初期研修の2年間を東京大学医学部附属病院で過ごすまで、将来循環器内科医を目指すことになるとは夢にも思っていませんでした。

内科の基本を勉強しなければ、と思い初期研修1年目に循環器内科の一般病棟での研修を選択しました。そこで出会ったのは肺高血圧症などの稀な疾患や心臓移植の適応になる程の心不全や不整脈を抱えた、予想をはるかに超える重症な患者ばかりでした。そのような難しい疾患に対し知恵を寄せ合い様々な治療法を駆使して命を救っていく過程に、感動とともに奥深さと面白さを感じました。そして研修中、常に熱心に指導して下さる先生方の熱意や最先端の診療、研究に触れる中で、私もこのような環境で学びたいと思い東京大学医学部附属病院循環器内科に入局致しました。

当科は臨床、研究のどの分野においても常に新しい知見に触れることができ、多くのスペシャリストと共に切磋琢磨することができる非常に恵まれた環境だと思います。これから将来の診療科を決めようとしている方も、循環器内科医を志そうとしている方も、ぜひ一度当科に足を運び、この魅力を実感して頂きたいと思います。

(2017/5)

辻 正樹
東京大学大学院 博士課程2年目 (平成22年卒)

大学院生からメッセージ

私は初期研修の後、市中病院で1年間の内科研修、3年間の循環器専門研修をして、7年目に東京大学循環器内科に入局しました。

市中病院では一般的な循環器疾患を学ぶとともに、超音波検査やデバイス治療、カテーテル検査・治療などの手技を身につけてきました。
一方で、大学病院では市中病院では経験できないような重症疾患や希少疾患を数多く経験することができます。非常に難しい症例も多いですが、カンファレンスで議論を重ね、方針を決定し治療を進めていきます。私は心不全チームに所属し、補助人工心臓や心臓移植を要すような重症心不全診療に携わっておりますが、新しく学ぶ事が多く、日々やりがいを感じております。
また大学では基礎・臨床ともに研究が盛んに行われています。これまで基礎研究に触れることが少なかった自分にとって基礎研究をされている先生方のお話を伺うと、一つの症例や疾患を臨床、基礎の立場からそれぞれ鑑みる視点の重要さを感じます。
 
現在、多くの先輩、同期、後輩から刺激を受けながら大学院の生活を送っていますが、当科では他にはない経験を数多くでき、そして医師としての可能性を広げることができますので、多くの方々と一緒に働けることを心待ちにしています。

(2017/5)

藤田 寛奈
東京大学大学院 博士課程2年目 (平成22年卒)

大学院生からメッセージ

私は大学卒業後、聖隷浜松病院で初期研修及び内科研修を受けた後に循環器内科へ入局し、自治医科大学附属さいたま医療センターで3年間の後期研修を経て大学院へ入学しました。

循環器内科には学生時代から漠然と心惹かれていましたが、各科をローテーションする中で診療のスピード感、ダイナミックさに魅了され、循環器内科を志すようになりました。その後日々の臨床に携わる中で、治療により良好な転帰をとる患者様がおられる一方で、再発、若年性、難治性など治療に難渋する方も多く、補助人工心臓や心移植を必要とする重症例も経験させていただき、このような患者様の治療に何か新しい知見を持って貢献したいと考え研究の世界に飛び込みました。研究のスタートはやや遅く、まだまだ未熟な私ではありますが、これまでの経験はひとつの大きなモチベーションとなっています。

大学院で日々ご指導いただいております上司、先輩方は皆非常に臨床・基礎共に知識、経験豊富な優秀な方ばかりで、また共に大学院で学ぶ同期たちも意欲的であり、大いに刺激を受けながら研究に取り組んでおります。また機器も最先端のものに恵まれ、東大循環器内科大学院はとても魅力的な環境であると考えます。

循環器内科の臨床、基礎にご興味を持っておられる皆様、ぜひ東大でともに学び、研究を発信していきましょう。

(2017/5)

福馬 伸章
東京大学大学院 博士課程4年目 (平成20年卒)

大学病院において学ぶこと

このページをご覧になっている方の中には、これからの進路について色々思いをめぐらせている方も多いと思われます。私は、初期研修を災害医療センター、後期研修を虎の門病院で行いました。この二つの病院では、座って知識を吸収する時間よりも、実際に動いて学ぶ時間が多く、初期、後期研修において臨床の現場や、コメディカルの方との連携、関わりをからだで覚えていく経験を多くさせていただきました。これらの現場と、大学病院の病棟で学ぶべきことは、少しその意義が異なります。大学病院では、心移植や重症の肺高血圧症、複数科にまたがる複雑症例の患者様など、他院では経験しない症例に関わることが多く、一歩踏み込んだ洞察を身につけることができます。また、数多くの病院から集まってきた経験豊富な先生方から、自分の考え方のpitfallや、普段経験しない現場の判断について、ご指導をいただくことができます。

そして、上記のような臨床経験の傍ら、何より大学病院において研修を行う際の大きなポイントはやはり基礎研究です。欧米では、医師免許を持つ人間が基礎研究に専念するのは一般的ではありません。しかし、その一方で臨床の感覚を研究に活かすことができるresearch physicianは、昨今様々な施設で必要とされています。この点で、基礎研究は、臨床経験を積んだ医師がもう一つ身につけるべき、大切なスキルといえます。ただ、私自身もそうですが、基礎研究には馴染みがなく、はじめ不安を感じる方は多いと思われます。そこにおいて大事になるのは、自分を導いてくれる指導者です。東京大学では、海外、国内様々なところで数多くの業績を積まれ、各分野をリードされている先生方が数多く集まり、活動されています。研究の手法も多種多様で、それぞれが最先端の内容を究明しており、各自に合う環境がきっと見つかります。諸先生方の研究活動に触れ、自分の考え方と共鳴する先生に師事し、自身の力を存分に発揮する環境と、機会に恵まれています。

次のステップに進む経験を、大学で積んでみてはいかがでしょうか。意欲ある先生方を、お待ちしております。

(2017/5)

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